フルコミッション…ならば請負で♪

相談案件で多いのが、「フルコミッションで、人を雇い入れたい」という社長さんですな。毎月決まって払う給与額を下げたい。ただし、成約件数に応じて報奨金を支払うことに異議はない…

　　　ほな、請負にしてしまいなはれ♪

社長さんのお財布は、固定費にしたくない意図が見え見えでありますよって、それならば、一層のこと請負制にしてしまえばよろしいかと

これを言うと、なぜか引かれるのでありますが…（笑）



営業マンさんが高給取りの場合、賃金の中に占めるコミッション料の割合が多いのであります。
　　　こういう場合は、最低賃金×労働時間+成約件数によるコミッション。

労働時間当たりの最低時間給を基本給にして、後は成果主義であります。
フルコミッション（完全歩合制）だと、売上高に応じて報酬が支払われる方式でありますので、「給料をもらえる保証がない」ここが問題なんでありますがな。
労働者として雇い入れるなら、労働時間に応じての賃金の支払い義務が生じるので、フルコミッションで契約したのであれば、請負契約へ持ち込む方が、後々楽であります。

その代わり、業務上の指揮命令権が及ばない…

社長さんは、ここを気にするのであります。指揮命令権を持ちたい、でも、結果を出せない奴には報酬を払いたくない…
　　　ある種、その気持ちはわかるのですが(^^ゞ

指揮命令権を持つということは、使用者の責任を負うわけで、労働保険料の支払い、社会保険料の事業主負担の納付義務を負うことになりますがな。
　　　請負の場合は、その義務を負わなくてよいわけで、ええんとちゃうん。

じゃ、指揮命令権に代わるものは…請負契約で、遵守事項をきっちりと定めておくことですやん。

遵守事項…
①押し売り、夜討朝駆けの禁止
②弊社に代わって契約を取りに行くのであるから、品位を保つ装束立ち振る舞いをすること
　　えっ？！　装束…立ち振る舞い…　　ちとお古い言い回しちゃいまっか

そんなん、会社で決めて、請負先と合意に達すれば契約完了ですやん。

ただ、請負の場合は、ユニフォーム・備品類の貸与については、損料（原価償却にかかる部分）を請負人が負担し、それを明確に契約の中に盛り込んでおく必要があります。

簡単に言えば、代理（特約）店契約を結ぶ要領ですやん。フルコミッションはこれでOKですやん。商取引になるから、労働者に対する使用者責任の外でありますやん

いや、労働者として囲い込みたいというのであれば、最低賃金を支払って、フルコミッションで支払う報酬から、賃金分を差し引いた残りをコミッションとして再分配すればOKなんですけど…
後は、労働基準法等の関係諸法令を遵守して契約書を作成すれば、一件落着ですやん


人を差配する…どういうように人を使いたいのか、使い方に応じて契約の内容を決めればよろしいやん。そのところをもう少し、自由度を持って考えて欲しいのでありますよ。

請負…請負人の働き方には口を挟めないけど、目標となる指針（１月に●台商品を売ってくる等）については、当事者間の話し合いで決めればよいことですやん。

雇用…労働者の働き方に対して、指揮命令権を発することは可能、しかし、使用者としての義務が生じる。

こういう図式でありますよって、一番使いやすい方法で、どの契約にするのか決めれば、後の部分はほぼ自動的に、決まってくるということですなぁ。







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