未払賃金について [労働契約]
お約束の、未払賃金であります。司法書士さんVS弁護士さんの法定利率を超えた貸金業への返還金の次に来るものは、未払賃金の請求ではないかと言われております。
会社サイドの認識の甘さと、労働者の権利意識がガチンコした結果、紛争となるのであります。
例えば、1日の所定労働時間が7時間30分、1日の賃金が7,500円と定めていたとしましょう。法定労働時間は、休憩時間を除き1日8時間と定められています。
ある日、労働者を8時間働かせた場合どうなりますか?
これは、労働者が就労義務があるのは7時間30分であって、その労働の対価が7500円と定められているので、8時間働かせたら、30分は超過勤務(使用者には30分の賃金支払い義務が生じます)。この日は7500円ではなく、少なくとも8000円は、支払わないといけません。
払わないのであれば、30分が未払いとなるのであります。
いいですか、7時間30分が所定労動時間であっても、8時間働かせたいという会社側の事情があれば、そういう契約を当初から結べばよいのでありますよ。
契約の具体例としては、「所定労働時間は7時間30分、ただし、各日に付8時間働いたものとみなして、8時間分の賃金として、7500円支払う」。このように契約すれば、何ら問題はありません。もっとも、最低賃金法に規定される、最低賃金を超えていないと、最低賃金法違反で是正勧告、あこぎだと判断されたら、ガラ確保でありますよ。
従前から、走っている労働契約であれば、いきなりこのように変更すると不利益取り扱いになりますので、昇給と絡ませて個別合意に持ち込んで、就業規則の変更という手続にする必要があります。この辺の手練手管は、社会保険労務士にお任せあれ♪
たとえ、その手練手管が詭弁となっても、突っ込みの入れようのない状況に持ち込む。これが会社の危機管理であります。会社がこのようにしたいと思うのであれば、労働契約の内容をその方向へ持っていかないとあきまへんがな。あいまいな形のまま置いておくと、高い授業料を払うことになるのは、社長さんですよって、リスク回避を講じなはれや
未払賃金というのは、具体的に言うと、会社の指揮命令下に置かれ、労働者が労務の提供を行っているにもかかわらず、賃金が支払われていない状態であります。この、労務の提供は、実際に働いているいないは関係なく、業務として命令が出されていて、それに従っている場合も含まれます。
会社の始業時刻前に、全員で社歌を歌うことを命じれば、これは労働時間になります。
ということは、無意味な命令を出さないことであります。黙示の命令というのもありますので…
労 「これは、黙示の命令が出ていた!」
このように主張されたら、会社としては、推奨しているが強制ではないという事実を立証しないといけなくなるわけであります。
因みに、未払の賃金があると労働者が主張するときは、その時間働いていたということを立証するのは労働者であります。それを否定できなければ、未払賃金が認定されることとなり、裁判となると、同額の付加金の支払い、遅延損害金を支払うということになるのであります。
おきらく社労士的に言えば、労務の提供を受けたのであれば、払うもんきっちり払って、余計な紛争を抱え込まないようにしなはれ! 払いたくなかったら、所要の整備を講じなはれ! こう思うのであります。
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【訃報】 本日、当該ブログの赤ペン先生の岳母様がお亡くなりになりました。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
会社サイドの認識の甘さと、労働者の権利意識がガチンコした結果、紛争となるのであります。
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ある日、労働者を8時間働かせた場合どうなりますか?
これは、労働者が就労義務があるのは7時間30分であって、その労働の対価が7500円と定められているので、8時間働かせたら、30分は超過勤務(使用者には30分の賃金支払い義務が生じます)。この日は7500円ではなく、少なくとも8000円は、支払わないといけません。
払わないのであれば、30分が未払いとなるのであります。
いいですか、7時間30分が所定労動時間であっても、8時間働かせたいという会社側の事情があれば、そういう契約を当初から結べばよいのでありますよ。
契約の具体例としては、「所定労働時間は7時間30分、ただし、各日に付8時間働いたものとみなして、8時間分の賃金として、7500円支払う」。このように契約すれば、何ら問題はありません。もっとも、最低賃金法に規定される、最低賃金を超えていないと、最低賃金法違反で是正勧告、あこぎだと判断されたら、ガラ確保でありますよ。
従前から、走っている労働契約であれば、いきなりこのように変更すると不利益取り扱いになりますので、昇給と絡ませて個別合意に持ち込んで、就業規則の変更という手続にする必要があります。この辺の手練手管は、社会保険労務士にお任せあれ♪
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未払賃金というのは、具体的に言うと、会社の指揮命令下に置かれ、労働者が労務の提供を行っているにもかかわらず、賃金が支払われていない状態であります。この、労務の提供は、実際に働いているいないは関係なく、業務として命令が出されていて、それに従っている場合も含まれます。
会社の始業時刻前に、全員で社歌を歌うことを命じれば、これは労働時間になります。
ということは、無意味な命令を出さないことであります。黙示の命令というのもありますので…
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おきらく社労士的に言えば、労務の提供を受けたのであれば、払うもんきっちり払って、余計な紛争を抱え込まないようにしなはれ! 払いたくなかったら、所要の整備を講じなはれ! こう思うのであります。
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2010-06-15 22:33
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労働契約は、会社をつくる際に絶対つくるものなのでしょうか?
そこは、専門家に頼むべきところなのでしょうね。
会社経営は難しそうです。素人コメントなのでお恥ずかしいですが^^;
by あきばこ (2010-06-17 17:07)
拝見させていただき気になる部分がありましたので質問させていただきます。ご回答いただければ幸いです。
残業代を支払う場合に「所定労働時間は7時間30分、ただし、各日に付8時間働いたものとみなして、8時間分の賃金として、7500円支払う」という契約を結んだとしたら、7500円を8時間で除し割増率を乗ずればよいのでしょうか?
by 田村 (2010-06-17 18:20)
あきばこさんへ
法律行為ちゅうやつは、普段無意識に普通やってますよってねぇ。
労働契約は、「雇入れます」「お願いします」で成立しちゃうんで、どのように使うかを、専門家に言えば自動的(?)に労働契約書(労働条件通知書)なるものを、作ってくれます。ギャラが要りますが(笑)
新規雇い入れの手続の依頼を受けたら、労働契約書(労働条件通知書)~36協定まで、必要書類一式をパックで用意しますけど(^^ゞ
by おきらく社労士 (2010-06-17 21:58)
田村さんへ
>7500円を8時間で除し割増率を乗ずればよいのでしょうか?
割増賃金というのは、法定時間は、休憩時間を除き1日8時間を超えたところからは、必ず割増賃金で支払わないくてはならないのですが、所定労働時間を超え法定時間内であれば、割増賃金を支払うか否かは、当事者間の取り決めによります。
当事者間の取り決めで、法定時間を超えたところから割増賃金を支払うと決めたのであれば、8時間までの労働時間は、所定労働時間を超えた分だけ、残業手当として支払うことになります。
で・・・
設例の場合、1時間単価はお書きのとおりです。1時間975円となり、所定時間働いら、7312円50銭でよいところ、7時間30分でお仕事が終わっても、8時間であっても7,500円払うという契約であります。
by おきらく社労士 (2010-06-17 22:06)
ご回答いただきありがとうございました。
先生が示されました契約の具体例は取り回しがいいですね。
参考にさせていただきます。
厚かましいですが再度質問させてください。
このような契約を結んで8時間を超えて仕事をした場合、
残業手当は7500円を8時間で除し割増率を乗ずるのでしょうか?
それとも除す時間数は7.5でしょうか?
ご回答いただければありがたいです。
よろしくお願いします。
by 田村 (2010-06-18 10:38)
田村さんへ
ご質問の例では、他に割増賃金の算定の基礎に入る賃金がなければ、975円がベースになります。
ここに書いたのは、一例であって、すべてを物語っているものではないのです。細かい手練手管については、お近くの社会保険労務士をご利用くださいませ。
by おきらく社労士 (2010-06-18 14:09)
田村さんへ
計算違いしておりました。
「設例の場合、1時間単価はお書きのとおりです。1時間975円となり」の975円は、937円50銭であります。
お詫びして訂正いたします。
by おきらく社労士 (2010-06-18 23:20)