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両罰規定ってなに? [労働基準法]

先週、社労士受験講座の受験生さんからの質問がありました。
平成18年の労働基準法(労働安全衛生法)第8問選択肢Bであります。

「労働安全衛生法第122条では、法人の代表者が同法の違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じていなかった場合には、同人も行為者として罰せられる旨の規定が置かれている。」

さ~~~ ○ か × か… ( ̄~ ̄;) ウーン

本日のエントリーは、受験講座なの???
   (( ̄_ ̄ )(  ̄_ ̄)) いいえ



労働安全衛生法は苦手であります。  (;゜0゜) ぎく… 

答えは、×(°O°)×(°_°) バツ!バツ!

実際に条文を紐解けば一目瞭然であります。
ということで、両罰規定おば…
労働基準法第121条
(第1項)
 この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主に対しても各本条の罰金刑を科する。
 ただし、事業主(事業主が法人である場合においてはその代表者、事業主が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合においてはその法定代理人(法定代理人が法人であるときは、その代表者)を事業主とする。 次項において同じ。)が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りでない。
(第2項)
 事業主が違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかつた場合、違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかつた場合又は違反を教唆した場合においては、事業主も行為者として罰する。

労働安全衛生法第122条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第116条、第117条、第119条又は第120条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

116条…3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
 製造禁止物質を許可なく製造した場合
117条…1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
 労働局長の許可を受けずに特定機械等を製造したような場合、特定機械以外の機械で個別検定や型式検定を受けなかったような場合、厚生労働大臣の許可を受けずして製造許可物質を製造した場合他
119条…6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
 作業主任者を選任せず作業させたような場合、事業者の講ずべき措置等を行わなかった場合他


つまり…当該問題が「X」となった理由は、労働基準法には事業主に対しても両罰規定が定められているが、労働安全衛生法には事業主に対する両罰規定がない… (;一_一)

で…両罰規定ってなんなの???
その前に労働基準法、労働安全衛生法上の使用者の定義
労働基準法第10条【使用者】
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。
労働安全衛生法第2条
第3項【事業者】
事業を行う者で、労働者を使用するものをいう。

※ 労働安全衛生法の事業者=労働基準法の事業主

労働基準法上の使用者には、事業主、事業の経営担当者、労働者に関する事項について事業主の為に行為をするすべての者が使用者となります。
事業主とは事業主体を差します。ということは、個人経営の場合は事業主個人、法人であれば法人つまり株式会社であれば、当該会社なんですよ。
経営担当者とは、事業経営一般について責任を負う人を指しますから、会社で言えば社長さんなど…
事業主の為に行為をするすべての者とは、人事労務管理等について権限を持っていれば該当しますが、単なる指揮命令を伝える立場の人は、たとえ役職名があったとしても使用者として取り扱わないのであります。
まぁ、実態で判断されるべきものでありますが…( 一一)ヤヤコシイ

労働基準法では、現実に違法行為をした者の責任を問うことができるよう、事業主に限定せず、使用者の範囲を広く規定しているのでありますよ。
これに対して、労働社会保険諸法令(労働安全衛生法を含めて)では、責任の所在を明確にするため「事業主」「事業者」だけを義務の履行者としている点に、決定的な違いがあったんですよね。

となると、違反行為をした者は、当然に「めっ!」と司法罰をくらっちゃうことになりますが…
労働基準法違反だと、使用者という括りで違反行為者に両罰規定を科すことができるのですが、労働安全衛生法では、事業者がその履行者として「めっ!」と司法罰をくらっちゃうことになるんですね。
   \(◎∠◎)/オウ~ビックリデース


でも…会社ぐるみで違反行為するところもあるし…会社そのものにも、懲役刑をくらわしたら面白いだろうなぁ♪
従業員が続々と刑務所へ通勤することになったりして(大爆笑)

   いかん…@雑記帳の様相になってきた。( 一一)

本日のエントリーは、おきらく社労士の宿題を書いてみました。本当は、もう一つ宿題が残っています。「必要な事項を教示しなければならない。」こういう項目が1か所あったはずと、受講生さんから質問がありましたので、今から労働安全衛生法をひっくり返してさがすことに…(涙)

かなちさん、メールをくださった匿名希望さんありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]
第102条
ガス工作物その他政令で定める工作物(電気工作物 、熱供給施設、石油パイプライン )を設けている者は、当該工作物の所在する場所又はその附近で工事その他の仕事を行なう事業者から、当該工作物による労働災害の発生を防止するためにとるべき措置についての教示を求められたときは、これを教示しなければならない。

さ~~やっと枕高くして寝られるかも♪
   °・:,。★\(^-^ )♪ありがとう♪( ^-^)/★,。・:・°



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コメント 2

かなち

>>必要な事項を教示しなければならない。

この言葉ですぐに思いつくのは、ガス工事というのは思いつくのですが。すみません。わたしもひっくり返して調べないとわからないです。というか合格してしまったら忘れてしまいました。今から基本書見直します。
by かなち (2009-02-06 17:56) 

おきらく社労士

かなちさんへ
多分それでOkだと思います。
ある方から、第102条だとご連絡いただきました(^^)
by おきらく社労士 (2009-02-06 19:41) 

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