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労働協約と労使協定ってなに? [人事労務]

先日、社会保険労務士を目指される方から質問がありまして…
質問内容は「有給休暇♪」のことであります。

これをネタに一席と考えたのですが、このお話をするのであれば「労使協定」が噛んできますので、社会保険労務士試験を受験される皆さんも、そろそろ本講座で労基法からお勉強されることですから、「労使協定」「労働協約」についてお話しましょう♪

本日は、受験生さん向け♪



労働基準法では、「労働協約」とや「労使協定」という言葉がよく出てきます。

どちらも、使用者と労働者とのお話し合いで決めたお約束という点では変わりないのですが…

   ( ‥) ハテ? どう違うの?

締結相手が異なります。

   ( ̄~ ̄;) ウーン


「労働協約」というのは、労働組合と締結するのでありまして…

労働組合法第14条【労働協約の効力の発生】
労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによつてその効力を生ずる。


労働組合がない会社では、労働協約は締結できないのであります。
また、当該労働協約が適用されるのは、その労働組合の組合員に限定されます。
しかし、同種の従業員さん全員に適用できる場合もあります。

労働組合法第17条【一般的拘束力】
一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。


この労働協約の効力は…(労働基準法92条・労働契約法13条)

法律>労働協約>就業規則>労働契約
強い拘束力←            →弱い

  
したがって、就業規則で所定労働時間を7時間としていても、労働協約で所定労働時間8時間とした場合には、8時間労働をさせることができます。 ただ…この規定が適用されるのは、労働組合員だけで労働組合に入ってない従業員さんには適用されません。

  ヽ( ´ ▽ ` )ノ ハーイ


これに対して、「労使協定」は…

労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定(労使協定)。


とあるように、過半数で組織された労働組合があれば、そこと締結します。この場合は、締結相手が労働組合であるので、労使協定=労働協約となります。

   ここを話すとね… 
   (@@?(?@@(@@?@@)@@?)(@@;)←受験生さん

もし、過半数で組織する労働組合がないのであれば、労働者の過半数を代表する労働者さんと締結するのであります。このとき過半数を代表する労働者の人選は、選挙や挙手等によって指揮命令権を持った人以外から選ぶことになるのですが…

   係長さんや課長さんは労働者の過半数をカウントするときには、
   数のうちに入れるのですが、過半数代表者にはなれないのが
   本来のルールです。。。
                ( 一一) デモジッサイハナァ(ぼそっ!)

で、とあるブログで書いてあったのですが…
あみだクジで選んだ例も有効とされたのであります。

   ( ̄_ ̄|||)どよ~ん  そんな手があったとは…

1.従業員の全員から異議が出なかった。
2.従業員の総意により、当該協定における過半数代表者をあみだくじで選ぶこととした。

このような付記をして、提出されたとか…

    Σ(ノ°▽°)ノハウッ!←労働基準監督官

今度、この手を使ってみようと虎視眈々と狙っているおきらく社労士であります。


脱線しちゃいましたが…
労使協定の適用者は、適用者を限定すれば、限定された人員のみ適用となりますが、そうでなければその職場の全従業員です。

ただね…就業規則の内容がおかしかったら、労働基準監督署から変更を命じられます(最初は指導ですけど)。しかし、労使協定や労働協約については、指導するだけであって変更を命じられることはまずないのです。就業規則の場合は、使用者が一方的に決めて労働者の意見を聞くだけ。これに対して、労働協約や労使協定は、労使間で(曲がりなりにも)お話し合いをした上で決定されているからなのです。


労使協定というのは、便利なんですよ♪
ちょこまかと、どうでもいいような内容の協定を作ったりして(大爆笑)


社会保険労務士を目指す皆さんは、これぐらいのことを理解しておくとよいでしょうね。労働基準法で「労働協約」と出てくるのは、24条の賃金の通貨払いの原則の例外と第2条と92条ぐらいだったと思う… 一度チェックを入れておきましょう♪


次のエントリーは、質問のあった「年次有給休暇」について書いてみようかなぁ(^^)







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