SSブログ

高年齢雇用継続給付廃止へ(おきらく的考察) [人事労務]

12月7日の新聞記事から「60歳以上、給与穴埋め廃止へ 現54歳から半減、5年で全廃」

現在の給付水準を2025年度に60歳になる人から半減させ、30年度以降60歳になる人から廃止する。主に現在54歳の人から半減が始まる計算になる。65歳までの継続雇用が2025年度から完全義務化されるため、企業が自力で対応し、賃金水準を確保すべきだと判断した。

記事は中日新聞からの引用です。
https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019120702000069.html?fbclid=IwAR2WOF7uc_CKupmDcLucgNMnJJmsE2wdLVdgdU4R_izY2IB6NAL-kvj5NRE



www.chunichi.co.jp_article_front_list_CK2019120702000069.html_fbclid=IwAR2WOF7uc_CKupmDcLucgNMnJJmsE2wdLVdgdU4R_izY2IB6NAL-kvj5NRE.png 写真をクリックすると拡大されます。
 500%ぐらいまで大きくすると記事が読めます(たぶん[わーい(嬉しい顔)]

 一応備忘にfacebookとTwitterに残したわけですが…
 うちの板にコメントをお書きになった方がおられたので
 軽く解説をしておこうかなと思い立って…時間食いました[がく~(落胆した顔)]

 この件に関しては、以前から高年齢雇用継続給付は廃止になる
 とういう噂がありました(65歳までを廃止して、65歳から70歳に
 引き上げるんじゃないかと)。

 この説明をする前に、ちょっと年金の話を…

 特別支給(附則8条)の老齢厚生年金は受給する人の受給開始
 年齢が65歳になると廃止になるわけで、昭和36年4月2日生ま
 れの人が65歳になるのが2025年
、昭和41年4月2日生まれの人
 が65歳になるのは2029年だったはず。


   一般女子(厚生年金保険第1号被保険者の女性)は
   一般男子(厚生年金保険第1号被保険者の男性)より
   早く年金を受給できるので…

   ちなみに、昭和32年11月生まれの人今年62歳の女性は
   すでに60歳から報酬比例部分の年金をもらっています。
   あたしは、来年からなのに[もうやだ~(悲しい顔)]

今は、特別支給の老齢厚生年金を65歳支給に向けて繰り下げているので、
定年の定めを60歳にしてもいいけど、老齢厚生年金の支給開始年齢までは、
希望すれば全員の再雇用・勤務延長の措置を講じなければならないとされています。

この雇用継続する義務が生じているのは、

  昭和32年4月2日~昭和34年4月1日生まれは63歳、
  昭和34年4月2日~昭和36年4月1日生まれは64歳
  昭和36年4月2日以後生まれは、65歳まで←この人が高年齢雇用継続給付はなくて良い

つまり、一般男子と厚生年金保険の第2号~第4号被保険者の男女の
報酬比例部分の老齢厚生年金の支給開始年齢と同じでなのです。
そして、昭和36年4月1日生まれの人が特別支給の老齢厚生年金の
支給開始年齢以後は、労使協定でチョイスすることができます。

言い換えれば、昭和36年4月2日生まれの人は、
65歳までの安定した雇用が義務付けされ、65歳の誕生月の翌月から
老齢厚生年金と老齢基礎年金が受給できる人たちです。

さて、高年齢雇用継続給付は、定年後嘱託になった(雇用継続された)として
賃金の低下分を雇用保険の方から補填しましょうという制度で、
その前提には、特別支給の老齢厚生年金が支給されている…というのがありました。

会社は、特別支給の老齢厚生年金がもらえるなら、
その分賃金を下げていいよね的な考え方で、

大雑把に説明すると、60歳到達時の賃金月額の61%以下(法律では未満ですが)
になると、支給対象月に支払われた賃金の15%支給ですから、
ドンブリ勘定で最大で75%弱の手取りと老齢厚生年金の月割り額で
トントンに持ち込めたら御の字…という制度なんですよね。

   元気に働いてくれるなら、老齢厚生年金が出るまでは元の給与体系を維持し
   年金が支給開始されたら、賃金を下げさせてくださいとお願いするようにしているのですが…


で、話を元に戻しますが…
昭和36年4月2日生まれの人が65歳になるのが2025年だったら
64歳の年度(2024年度)までは今の給付率(Max15%)でという考え方です。

2025年度に60歳になる人から給付率を半分にし
2030年度に60歳になる人から廃止するのは、
昭和41年4月2日後に生まれた人が60歳と65歳になるタイミングで
同様に考えれば、良いと思います。

この適用を受ける人は、一般女子と一定階級以下の警察官、消防吏員に
なります。一般男子、厚生年金保険第2号~第4号被保険者の男女より
先に年金をもらっていますが、65歳になるのは一般男子らより後になるので
半減させましょうということでしょうか?


基本的には、高年齢雇用継続給付の給付率半減、廃止で不利益になりそうでも
65歳前の在職老齢年金の支給停止調整開始額が47万円になり、
ほとんどの場合支給停止になっても、今までのようなどか~ん[爆弾]
持っていかれるわけではないし…

来年4月から、同一労働同一賃金の原則の適用が行われるので
そこまで、打撃を与えるものではないのではないかな…[わーい(嬉しい顔)]



うちの板にコメントをいただきましたが…

>財政、耐えられないんですよね。。。
>2025年、更にさらに後期高齢者も増えますし。。。

高年齢雇用継続給付は、雇用保険特別会計を組んでいて、
耐えられないか否かという問題は僅少だと思います。
全体では、失業等給付が大半を占めていますし。

年金も国民年金と厚生年金で特別会計を組んでおり
お書きのとおり2025年(令和7年)がピークで後は、
団塊の世代が団体で、小川の向こうのお花畑へ遊びに行くと
想定していたのですが、後ろにずれます。
しかし、今までの積立金と運用益がありますから、
マクロ経済スライドの運用強化で年金財源も
破綻回避可能であると信じています。

アクチェアリーと運用する人間が、
お隣の国のような無能な運用をしたり
どこぞの企業年金基金の理事のように騙されない限り
という条件は付きますが( 一一)

後期高齢者医療も各都道府県で基金を作って運用していますし
一部負担金を2割に引き上げる等、費用と保険料のバランスを
中央で定期に見直していることを鑑みると、破綻はないでしょう。


ちょっと背景を考えてみれば、こういうことは容易に思いつくものです。
はずしたとしても、そう大きな読み間違いはないと思います。

なんかまた、つまらないこと書いちゃったかな[ふらふら]



  /l、
  ("゚. 。 フ
  /つ旦~   
 ()  (~)~ ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
    ̄
↓ ついでにブログランキングに、ぽちっとクリックお願いいたします。

法律・法学ランキング


※社会保険労務士として、掴んだ法改正情報を受験生さんのために、
  しょぼく垂れ流しするメルマガ
       (  ゚ ▽ ゚ ;)エッ!! ショボインデス

 おきらく社労士@法改正(おきらく極楽セミナーの告知もあります)
 購読はこちらから… http://www.mag2.com/m/0001674361.html


※業務錯綜のため、本体ブログの更新が滞っております。
 日々の出来事はInstagramで展開しております。
 リアル日常なミニブログ…… おきらく社労士(Instagramログインが必要です)
 こちらを、お楽しみください。

※ 受験ノート・過去問解答例・民法の販売を一時中止いたします。
  第16回試験対応バージョンは令和2年4月頃を予定しています。




nice!(3)  コメント(0) 

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

***免責事項***
ここに書かれてあるエントリーについては、エントリーした日の法律に基づいて書いております。その後の法律改正により、内容が異なる場合がありますのでご注意ください。



社会保険労務士ランキング


ブログを作る(無料) powered by SSブログ