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グループ検討課題のヒント あっせん答弁書起案 [特定社労士]

グループ検討課題のヒント あっせん答弁書起案

令和元年特別研修のグループ検討課題を見せてもらったので、
参照となる判例や条文、通達などを抜粋しました。
参考程度になればいいかな[わーい(嬉しい顔)]

でも、「おきらくさんは言いました」で (*・ω・)(。。*)ぅん は、
能力担保に繋がりませんから、色々検討を加えてくださいね。




■□ 設例第2 答弁書起案(時間外手当請求事件)
変更あり(前年度も未払いの割増賃金であったが、設例の差し替えがあった)


小問(1) 労働基準法上の労働時間概念について確認し、本問における朝礼時間が労働時間に該当するか否かについて検討しなさい。

◆ 労働時間の定義については、労働政策研究・研修機構のページを読んでください。
【労働時間】労働時間の定義(労働政策・研修研究機構)
https://www.jil.go.jp/hanrei/conts/05/37.html

okiraku2.png労働基準法32条のいう労働時間(「労働基準法上の労働時間」)は、客観的にみて、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できるか否かにより決まる。就業規則や労働協約、労働契約等で、特定の行為(実作業のための準備行為など)を労働時間に含めないと定めても、これらの規定には左右されない。労働基準法上の労働時間は、就業規則に定められた所定労働時間とは必ずしも一致しない。

本来の業務の準備作業や後かたづけは、事業所内で行うことが使用者によって義務づけられている場合や現実に不可欠である場合には、原則として使用者の指揮命令下に置かれたものと評価され、労働基準法上の労働時間に当たる。

労働者が具体的な作業に従事していなくても、業務が発生した場合に備えて待機している時間は、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価され、労働基準法上の労働時間に当たる。ビル管理人の仮眠時間などは、労働から完全に離れることが保障されていない限り、休憩時間ではなく、労働基準法上の労働時間に当たる。

509863.png当該朝礼が、使用者の業務命令によるものか…P.37で甲野さんは「工場長主催で実施する朝礼の準備などで、毎朝6時50分ころに出社せざるを得なかったからです」と言っています。しかし、P.42に小山さんの陳述では「工場長として毎朝7時54分ごろから15分程度朝礼を行い…(中略)…私は毎朝7時30分ごろには出社しています(であれば、甲野さんも7時30分ごろの出社でも間に合う?)。家が遠くて6時50分ころに出社していた丙川さんを除くと、他の従業員は7時40分から45分の間に出社していました。…(中略)…丙川さんは自分が出社すると、自分のタイムカードだけでなく、甲野さんのタイムカードを押していた」とあります。これをどう評価すればよいのでしょうか? また、他にはないでしょうか?



小問(2) 労働基準法上の管理監督者(法41条2号)の概念を確認した上で、被申請人の工場長であった甲野太郎氏が労働基準法上の管理監督者に該当するかについて検討しなさい。

◆ 管理監督者については、古い資料ですが次の資料を読んでみてください。
しっかりマスター労働基準法(東京労働局H21)
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/library/tokyo-roudoukyoku/seido/kijunhou/shikkari-master/pdf/kanri-kantoku.pdf
労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために(厚労省H20)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/kanri.pdf
多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について(厚労省H20)
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/09/dl/h0909-2a.pdf

509863.png取締役会などに出席していたか、従業員の採用にかかる人事権を有していたか、労働時間ににかかる制約を受けていたか、役員(管理監督者として)にふさわしい手当を支給されていたかといった、内容を検討してみてください。そのうえで、甲野さんが管理監督者であるか否か検討する必要があります。

okiraku.pngざっくり、斜め読みしたところ管理監督者のようで管理監督者でないような…。どっちとも解釈できる内容になっています。この面からみれば管理監督者と言える(役員会に参加している、タイムカードの不正打刻を黙認している)、別の面からみれば限目密には管理監督者とはいえない(採用について裁量が社長にある、定額制残業代として支給された賃金がある)、このようなことをグループ研修で検討するわけです。



小問(3) 本件において、甲野氏の管理監督者該当性が否定された場合、被申請人は月給の中に時間外割増手当が組み込まれている旨の主張を行うことが考えられるか。
あらかじめ基本給や諸手当に時間外手当を組み込んで支払う方法が労働基準法37条に違反しないと言えるにはどのような要件が必要かを検討した上で、本件において被申請人が固定時間外手当合意の有効性を主張できるか、できるとした場合に具体的にはいくらの時間外手当をあらかじめ支払済であると主張することになるのかについて検討しなさい。

◆ 定額制残業代について、労働政策研究・研修機構のページを読んでください。
【労働時間】割増賃金(労働政策・研修研究機構)
https://www.jil.go.jp/hanrei/conts/05/40.html


okiraku2.png他の手当を名目としたいわゆる定額残業代の支払が許されるためには、実質的に見て、当該手当が時間外労働の対価としての性格を有していることは勿論、支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残業手当の額が労働者に明示され、定額残業代によってまかなわれる残業時間数を超えて残業が行われた場合には別途清算する旨の合意が存在するか、少なくともそうした取扱いが確立していることが必要不可欠であるというべきである(アクティリンク事件 東京地裁H24.6.29 )。
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/90005.html


509863.png本件の定額制残業代が認められるか否か判断は、上記のような裁判例で示されていますが、「定額残業代によってまかなわれる残業時間数を超えて残業が行われた場合には別途清算する旨の合意が存在するかそうした取扱いが確立していることが不可欠」である以上、このことが周知されているかという点を考慮する必要があります。

周知されており、かつ、定額残業代によってまかなわれる残業時間数を超えて残業が行われた場合には別途清算する取扱いなされているのであれば、「被申請人が固定時間外手当(定額制割増賃金)合意の有効性」を主張できることができるわけです。
周知と取り扱いについて、設問の中でどのように書かれていたでしょうか?
そして、いくらの時間外手当をあらかじめ支払済であると主張することができるか、グループ内で検討してください。

okiraku.png周知に関しての記述ですが、基発0810第2号 平成24年8月10日(厚生労働省)のP.13~14にかけて説明があります。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/141128d.pdf




小問(4) 一般的に時間外手当請求がなされる場合、労働時間の算定のための資料としてどのような資料が用いられるか。
また、本件において、申立人がタイムカードをもとに労働時間の主張を行っているが、本件におけるタイムカードの打刻時刻の労働時間算定資料としての信用性を踏まえ、毎朝7時から早出、残業を行っていたという申請人の主張の当否について検討しなさい。

509863.png小問(1)のところで書いた、スピーカーのアイコンのようなことが他にもないか、検討してください



以下は、グループ内で検討してください。
小問(5) 以上を前提に答弁書を起案せよ。

小問(6) 和解案を検討しなさい。









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