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年金の歴史って…知ってる? [年金]

前のエントリーのコメントより

引用ここから***
>この後@マジメのネタは、アレですよね(笑)
ええ、国民年金保険料ですね(笑)
***引用ここまで

高年齢雇用継続給付と特別支給の老齢厚生年金について書こうかなぁと思ったりしてたのですが、頂いたメールを見ていると、年金の歴史を紐解いてみてもいいかなぁと考えた次第です。
ということで…かなちさん、ハズレです! 

年金制度でいちばん最初にできたのが、船員保険制度であります。船員保険の年金部門は、昭和61年の大改正の際に厚生年金保険に吸収されちゃいました。

まぁ、厚生年金保険と国民年金保険の歴史などのおうわさ話など…(^^)

    そうそう…ちょっと別件で気になっております。
    当該おきらくグループをを御贔屓にしてくださってます。南山大学御一行様へ業務連絡♪
    どういう身分の方がアクセスしてくださっているのでありましょうや? 学生さん、職員さん、教職員さんなのか… 気になってます(笑)



おきらく社労士は、旧法と言われる昭和61年3月以前の年金はあまり詳しくないのですが、概念的なお話で恐縮です。(^^ゞ

昭和16年労働者年金保険(施行は17年6月)として産声を上げたのが、厚生年金保険の前身であります。このときは、男子工員さんや坑内員さんを対象としていたのでありますが、昭和19年には、加入範囲を事務職と女子まで拡大して、名称も「厚生年金保険」とされたのであります。

歴史的背景を考えれば、大東亜戦争に突入する直前であります。保険料を戦費に当てるべく目論んだのか否かは、当時のお役人様に訊かないと分かりませんが…

その後敗戦を向かえ、GHQの戦後処理が終わったのが昭和26年であります。

ちょっと落着きを取り戻した、昭和29年5月それまで、55歳支給とされていた支給開始年齢を男子60歳にする等の改正が行われ、支給方式も定額部分と報酬比例部分の二階建て方式となったのであります。
報酬比例部分とは、被保険者期間の報酬額の平均額に応じて年金額を計算するもの
定額部分とは、報酬額に影響されることなく加入期間によって一定額を支給するもの


さらに、昭和34年には、国民年金制定、同年11月より無拠出制の、福祉年金(高齢に達していたため拠出制年金に加入できなかった人、障害)、母子年金(遺族=妻・子)、準母子年金(遺族=配偶者のいない祖母や姉が、孫や弟妹を扶養する場合)を先行スタートさせたのであります。昭和36年には、拠出制の国民年金が走り始めたのであります。

物価スライドが昭和48年に導入されたのであります。それまでは、1万円年金など定額でありましたが…

さて、ここで一気に昭和61年4月1日まで飛ばしちゃいます。
   Σ(ノ°▽°)ノハウッ!
昭和61年3月までの年金各法を旧法、昭和61年4月に大改正があったので以後を新法と呼んでいます。

昭和61年4月1日!年金各法の大改正があったのであります。
   ( ̄▽ ̄)ノ_彡☆バンバン!

それまでは、20年の加入期間があれば、国民年金、厚生年金、共済年金、船員保険がもらえていたのでありますが、単独で20年作れない場合は、これらの期間を通算して、通算年金を支給していたのであります。また、1人一年金とされていなかったので複数の年金をもらうことが可能であったのです。
   w(°o°)w おおっ!!一人でいくつももらえたの???(うらやましい・・・かも)

例えば、厚生年金の障害年金(旧法)をもらいながら、国民年金に任意加入して将来、国民年金の老齢年金(旧法)を受給することもできたのであります。

厚生年金保険の第4種被保険者というのは、通算年金をもらうより単独で厚生年金の年金をもらった方が給付が有利なので、退職後も任意加入して、20年の期間を作ることを目的としていたのであります。つまり、加給年金など配偶者の給付等が通算年金制度にはなかったのであります。

もう一つ、旧法の時代では結婚すれば、「妻は家庭に入るべき!」こういう風潮でありました。故に、夫に妻の分の年金額として加給年金などが付いていたのであります。で…厚生年金保険の被保険者の配偶者は、国民年金に任意加入できたのであります。しかし、任意加入だと入らない人も多く、老齢離婚などしようものなら配偶者は無年金になってしまったのでありました。

そこで新法では…
   (ヽ ̄□)/≪≪あ~あ~ ここから、新法のお話ですよ♪

旧法の厚生年金の定額部分をそのまま国民年金の基礎年金の部分に、報酬比例部分を厚生年金にしちゃって、また夫につけていた妻の分を、妻の権利として基礎年金で支給しようと考えたのでありました。
で…昭和61年4月に、国民年金第3号被保険者として、サラリーマンさんや公務員さんの加入する年金制度に加入している人の被扶養配偶者であって、国民年金第1号・第2号被保険者以外の20歳以上60歳未満の人を第3号被保険者として、将来の年金を確保させたわけであります。
それと同時に、支給開始年齢をそれまで、60歳だったものを65歳に繰り下げたのであります。

(@^▽^@)ノ しつも~ん?
昭和61年3月に59歳と11月位だった人暴れません?

そうですね♪ そうなんですよ。「後1か月で年金が私のもの♪」と思っていたら、法律が変わったので5年待ってね。(^^ /"" (^^ /~~:さよぉなら

こういうことにならないように、経過措置として60歳から65歳までの間、特別に老齢厚生年金を支給したのが、附則8条の特別支給の老齢厚生年金なのであります。旧法では厚生年金保険の加入期間1年以上必要だったので、特別支給の老齢厚生年金もそのような規定になってます。
    旧法の障害の年金が加入期間不足(国民年金6か月、厚生年金保険1年に満たなかったから)で貰えない人が、障害基礎年金や障害厚生年金の障害等級に該当したら65歳の誕生日の前々日までに該当しその期間内に申請したら、障害の年金が支給されるという規定ありましたよね…こことセットにすると覚えやすいのであります。


平成6年改正で、まずは定額部分の支給開始年齢を引き上げ、平成12年改正で報酬比例部分の支給開始年齢を引き揚げ、男子昭和36年4月2日生まれから、女子昭和41年4月2日生まれからは法律通りの65歳支給になるわけであります。つまり20年かけて、すこ~しづつ定額部分、次には報酬比例部分をなくしているのであります。

(@^▽^@)ノ しつも~ん?
女性の方が後ってずるくないですか?

実は…旧法では男子60歳、女子55歳支給だったのでありますよ。まず、女子の支給開始年齢を一旦60歳に引き上げる措置を講じた故、5年遅れで支給開始年齢引き上げることになったのであります。


かなり、割愛して書きましたけど…
実際に年金制度は歪なのであります。それをそのまま捉えようとするとかなり難解なのですが、それに至った事情が判れば理解しやすいのでありますよ。
職業訓練で年金をお話しする際には、このようなことを1時間話して本題に入っているわけであります。

   でも…何人か意識が朦朧とするんだよなぁ ( 一一)





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コメント 8

たっぷ

年金は難しいですよね
経過措置と既得権の保護がややこしくしていますね

一般の人には理解しがたいものとなりますね

国民全般に適用するならば、もう少しわかりやすい制度になったらいいなぁと思います

それが無理であるなら、せめて、社保庁からの書類を分かりやすくできないかと思います

たとえば、オンライン記録。数字の羅列ですね。罫線も無く、社労士であっても年金を専門としなければわかりません

例えば、年金手帳の初めて被保険者となった日は20歳になった日または厚生年金を喪失した日であって、加入(手続き)をした日ではない

もっと国民全般にわかりやすい表示をして誤解を与えないようにしてほしいと思いますね
by たっぷ (2009-02-09 00:11) 

おきらく社労士

たっぷさんへ
社保庁の資料は難解でありますなぁ…
出てきたら焦りまくりであります。(笑)

>例えば、年金手帳の初めて被保険者となった日は20歳になった日または厚生年金を喪失した日であって、加入(手続き)をした日ではない

ここは、「資格取得をした日」ですよね…
誤字脱字の多いおきらく社労士であります。普通はスルーするのですが、重要部分ですよって、コメントに残します。

後…外国から来られた方は、初めて日本国内に住所を有した日等も有りですよね♪
by おきらく社労士 (2009-02-09 08:07) 

ぺこちゃん

昔、あまり煩くなかったので、国民年金保険料払い始めたのが遅かったんですね。
年金特別便で7年近く未払いがあったことを再確認して、ちょっと愕然!
若い頃は年金なんて遠い国の「何、それ?」って話だったんでほかしといたんですが、計算すると月額一万円以上差がつくじゃないですか!

後悔先に立たず、です。
by ぺこちゃん (2009-02-09 09:36) 

おきらく社労士

ぺこちゃんさんへ
確かに、若い頃というのははるかかなたのお話ですからねぇ…
でも50歳代になるとがぜん見えてくるんであります。

もっとも、未納1年で約2万円/年であります。60歳以後任意加入するかそのまま捨て置くか微妙な判断が…
by おきらく社労士 (2009-02-09 19:18) 

かなち

昨日のコメントで、「厚生労働省に問い合すといたします」でしたので、はずれるとは思いましたが(^^;;;

そのうちに触れていただけると信じておりまする。
by かなち (2009-02-09 19:21) 

たっぷ

はい、その通りなのですが、一般の方に説明する時には×です。ですから20歳になった日の前の日とか、平たく言うのです。(^^)
by たっぷ (2009-02-09 20:07) 

おきらく社労士

たっぷさんへ
そうですねぇ…「誕生日の前日」にとか必ず言いますよね。
裁定請求の戸籍謄本や住民票は誕生日以後に取って下さいと言います。

お役所仕事ですよって( 一一)

by おきらく社労士 (2009-02-09 20:24) 

おきらく社労士

かなちさんへ
>そのうちに触れていただけると信じておりまする。
年金って一番嫌いな分野なんですが…( 一一)
全人類滅亡の日までには何とか(大爆)

by おきらく社労士 (2009-02-09 20:24) 

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